【葱イラストパクリ事件 vol.11】〜商標権と著作権は別だよ編〜
これまでの関連記事はこちらにまとめています → 【葱イラストパクリ事件 まとめました】
ご無沙汰しています。
葱の描いた鈴木誠也氏イラストを使って商品作って売っちゃったよテヘペロ!いう方を「コラコラなにしとるんじゃい」と弁護士の呉先生と一緒に成敗するお話(ノンフィクション)です。
わたしらが送付した「求釈明申立書」に対する、被告S氏の回答書…
その名は「責任を逃れるためなら何でも主張しちゃうよ!」という、ぶっ飛んだトンチンカン回答書!!でした!ギャース!
Contents
『S氏回答書』
(1)「イラストはもらったもの」
(1)は前回書いた通りです。
今回は、回答書の(2)を書きます。
(2)「あなた(葱)は、カープの商標権を侵害しているから、わたし(S氏)は著作権を侵害していない」
S氏はこう主張してきました。
「あなたのイラストはカープのロゴマーク”C”及び”CARP”が入っているからカープの商標権を侵害している。よって違反したイラストの著作権を主張するのは商標権に違反している」
分かりやすく書くとこうです。
「確かにわたし(被告S氏)はあなた(葱)のイラストを使用してしまったことは認めます。
でも、あなたのイラストにはカープのロゴマークが入っているから、カープの商標権を侵害しているよね?
だから、あなたが著作権を主張するのは違反してんじゃないの。」
パアアアアアアアアアアアーーーーーーーン( ゚д゚)・∵
S氏の混同した無理解っぷり全開!
もうイヤーーーー
Sさん、著作権と商標権が、全く!分かって!ない!!
「どうだ!」的な感じで書いてありましたが、S氏の混同した無理解っぷりが露呈されました。なんかもう恥ずかしくなってくるわ…
えとね、
「商標権の問題」と「著作権の問題」とを分けて順に反論します。(書面で裁判所とS氏に送っています)
商標権の問題
S氏が示したURLはこちら→地域交流イベント「球団商標の無償使用について」
広島東洋カープのWEBページです。
内容を読んでもらうと分かりますが、これ「”地域交流イベント”においての無償使用について」です。
元商店街などの催しにおいてカープを応援する目的だったら球団名やロゴを使っていいよ、という内容。
カープが地元に対する地域貢献での配慮ですね。
えっと、わたし、全く関係ない…。
規約にさえ抵触しない。
じゃあ、S氏は何をもって「該当イラストはカープの商標権を侵害している」と主張してるんじゃろう…。
おそらく本文内にある
なお、個人や企業などが、商品や広告宣伝物に使用されるなど、営利を目的として使用される場合には有償となりますので別途ご相談ください。
この一文だけを抜き取って主張しているのです。
うん、これも否定できます。
該当イラストは、販売目的でWEBサイトに掲載しているわけではありません。
『とあるイラストレーターが大のカープファンでユニフォームを着た選手の似顔絵を作成してWEBサイトに掲載した』
これだけです。
ファンアートの世界。
よって、全く営利目的でないの。
著作権について
そもそも「著作権」とは作成者に存在します。
たとえ、スポーツ選手などの容姿をイラスト化した場合でも、”そのイラスト自体の著作権”は、イラスト作成者にあります。
そして、作成したイラストに、”商標”が含まれていたとしてもこれは同様です。(ちなみにそれを売ったら商標権の侵害です。)
もっと言えば、子どもが書いた絵にもちゃんと著作権は発生します。
例えば、よその子の絵を「上手いから」って勝手にTシャツとかにして売ったら、それはバッチリ著作権侵害です。
著作権とはそういうもの。
はい!
とここで、ずっと私の記事を読んでこられた人は気付かれたと思います! ギラリ。
そう、S氏はカープ選手のイラストを許可なくステッカーシールにして販売していたわけですから、
「自分(S氏)がカープの商標権をも侵害している」と自ら認めたも同然なわけです! ギャーーース
商標権を侵害しているのはS氏のほうですYOOO
こちとら最初から認識しておりましたが、よくまあイチャモンつけて、「著作権」と混同させて何食わぬ顔で主張してきたもんYO!
こっちが恥ずかしくなるわ。
「商標権侵害」になるかどうかは「著作権の問題」とはまったく無関係
イラストに商標が含まれていたことが「商標権侵害」になるか否かは「著作権の問題」とはまったく無関係であるし、本件では、上記のとおり、「商標権侵害」の問題すら生じていません。
S氏の混同した無理解っぷり全開。
「えっと…何言ってらっしゃる…の…?」です。
文面や書面から、S氏は一応弁護士の助言に基づいて書いたっぽいんだけど、こんな助言で「この弁護士さん大丈夫なん…?」
スポーツチームの商標について知識がなさすぎますわい…。
S氏は自らの落ち度を認めて反省してくだんせ。
このような被告S氏の主張は、自身の落ち度を棚に上げ、まあもう、私は批判されてるかのようで、まったくトホホですわ…。
落ち度を素直に認め、反省して、賠償に速やかに応じてくんなまし…。
疲れるわい… 涙
【おまけ】
呉弁護士が調べたところ、カープが商標登録をいている「C」マークそれ自体については、高度の美的創造性が認められず、著作物に該当しないということが判明。
そのため、わたしがこの「C」マークを含めたイラストを作成してもカープの著作権を侵害することにはならないんだって!
ねえS氏さん!聞こえてる?(^^、、、)
次回は「第3回口頭弁論」です! しばしお待ちを!